映画はBlu-rayやDVDとして手元に持っていたい。自宅で何度でも鑑賞したいし、自分のペースで観たいから。サウンドも周囲の騒音に左右されないようにヘッドフォンをして直接 体感したい。
舞台はそんな私の考えとは逆方向に向いていましたが、ほんの小さなご縁がきっかけで、この世界を知ることになりました。
このコーナーは、舞台について当初の私と同じところで足踏みをしている方がいましたら、ぜひ前に!という気持ちで書いてみました。
※私が拝見した舞台作品の様子についてのみ書かせていただいています。
会場の雰囲気・様子
会場によってクロークが用意されていたり、スタッフも機敏に対応してくれて、全体的にもてなす準備ができています。
また本当に作品を鑑賞したいという方が集まっているようで、静かで落ち着いた雰囲気が保たれています。そして公演時間途中の入場制限や、未就学児童の入場ができないなど、全体的に静粛な雰囲気が維持され、快適な環境で鑑賞することができます。
魅力1:ライブ感の体験
ステージ上でリアルタイムで進行するドラマ、そしてやり直しがきかない表現方法は臨場感を高めてくれます。役者の迫力ある演技も相まって、まさに目の前で起きている出来事を自分も共有している感覚にさえなれます。スピーカーから出力される効果音ではない生の音や、その表情や仕草も直接感じとることができます。
魅力2:原作との相違点の鑑賞
ゲームやアニメ、コミックが原作の場合、イメージづけられているキャラが実体となるので違和感があるかもしれません。またビジュアルに注目が集まるのは当然のことですが、むしろ役者がそのキャラをしっかり勉強していて、自分なりに解釈し完成させていることに驚かされます。もはや”演じている”のではなく、内面からキャラになっていて ひとりの人物として登場します。
▲舞台『攻殻機動隊ARISE:GHOST is ALIVE』 最終舞台稽古2015.11.05 ゲネプロ時の映像
舞台ならではの補完
ステージという限られたスペースで物語が展開するため、すべてが観客席からの”俯瞰”という視点で観ることになります。またシーンの中でケガをしても血が出ることはなく、そこは舞台なりの作法のような感覚が必要で、観客が補完すべき情報となります。
とはいっても制約があるなか、アイデアで乗り越えているシーンも多くあり、私個人としては それが心地よくみえます。制作陣の悲鳴が聞こえてきそうなシーンも多いなか、難なくこなしているところは さすがプロと思えます。
舞台とは
他の映像作品とは異なる観点でみることができる新鮮な作品手法です。
目の前で展開するドラマから、役者や作品が近い存在に感じられ、より長く心に残るメディアであると思います。生身の役者が息を切らしながらリアルタイムでドラマを紡いでいくメディアは他にはありません。
ぜひ、ご覧ください。